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フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル(1923年~1967年) 帝国ホテル正面
帝国ホテル正面  撮影 村井修  撮影年 1966年
明石信道著「旧帝国ホテルの実証的研究」より
  このニュースレターの最初に、20世紀の3大建築家の一人フランクロイドライトの代表作である
帝国ホテルを取り上げることにしました。
たまたま、私自身が縁あって、この名建築の最後を看取った一人でもありましたので、その体験で
感じたままを記述することで、実際にこの建築に触れることのできなかった人々のお役に立てれば
と思った次第です。
なお使用する写真は明石信道著の「旧帝国ホテルの実証的研究」から引用させてもらいます。
この本は日本建築学会賞を取った名著ですが、残念ながら現在は絶版になっています。
本の写真をカメラで写していますので、多少写真がゆがんでいたり、2ページにまたがった写真では
真中に線が入ってしまい、見づらいですがご勘弁ねがいます。
 
 前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ります。
帝国ホテルは、実現したライト設計の建築の中で、最初にして、生涯を通じても最大の建築です。
1912年、ライト45歳の時に設計に着手し(1905年に基本設計に着手したとも言われる)、1923年
(大正12年)、56歳の時完成、最も脂の乗り切った時代の作品であり、あらゆる面でライト建築の
金字塔と言えます。
住宅以外でこの帝国ホテル以前に実現したものは、大胆な吹き抜けを使ったオフィスビルの先駆
けとなるラーキン商会ビル(1903年)、教会建築の傑作ユニティー教会(1905年)と、ミッドウェーガ
ーデン(1913年)があるのみです。
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タイルの歴史と文化
Vol.1
そのような建築が日本で実現され、半世紀近く存在したことはライトと日本の絆を示し感慨深い
ものがあります。
奇しくもライト生誕100年にあたる1967年に取り壊されたことも何かの因縁を感じざるを得ません。
 
特に我々タイルの製造に携わる者にとっては、使用されている主要な外装内装材料が、愛知県
常滑の工場(現在のINAXの前身)で製造されたレンガで構成されているだけによけいに興味が
尽きません。
 
明治以降の日本文化の混迷、特に建築における没個性的な和洋折衷に嘆き、ライトは「新帝国
ホテルと建築家の使命」と題した一文を残しています。その結びの文章はライトの日本に対する
思い入れがいかに強かったかが推し量れるのでここに紹介いたします。
 
「(帝国ホテルは)日本の古きに負うところの多い一人の芸術家が、報恩の意味で日本の建築界
に寄与する捧げ物である。同じく建築に携わる日本の諸兄が、これによっていくばくかその個性を
発見する一助となるならばとこいねがいつつ。
夕ありき朝ありき。
夕と朝との別はただ進歩である。 一国の生命にあっては、一世紀はまさに一日である。変化はいかに激しくとも真の進歩は誠に遅々
たるものである。
日本にひるがえる旗の日の丸、誰か知る、沈む夕日か、昇る朝日か。」(遠藤新氏訳)
―明石信道著「旧帝国ホテルの実証的研究」より引用―
現在の日本は果たして昇る朝日でしょうか。天国のライトに聞いてみたい気がします。
次回以降この名建築の見どころを紹介していきます。
明治村帝国ホテル正面
明治村の帝国ホテル正面
ご承知のように、帝国ホテルはエントランス、ロビー、ラ
ウンジ部分が、愛知県明治村に再現されています。
レンガをはじめ大谷石も殆どが新しく作られたもので、
オリジナルとは比べ様がありませんが、大きさは全く同
じになっていますので、その雰囲気は味わえます。
明治村帝国全景
明治村の帝国ホテル全景
★施工例の写真をぜひお送り下さい。
ご応募いただいた方には、
もれなく、ビール券等の粗品を
贈らせていただいております。