フランクロイドライトの帝国ホテル NO.11 レンガの詳細その2
<レンガの詳細 その2>
前回も書きましたがこの建物は鉄筋コンクリート構造です。レンガを型枠兼仕上材として使っています。まだ鉄筋コンクリート造の建物が少なかったこの時代に、仕上材を型枠として使ったと言う例はもしかして最初の建物かもしれません。
もしこの点につき詳しい方がおられましたらご意見をいただければ幸いです。
以下にそれぞれの使用例を「旧帝国ホテルの実証的研究」より写真をお借りして紹介させて頂きます。

「市松模様レンガ」使用例
この場所は西側メインエントランスの建物 外壁コーナー部分です。
例の如く基壇部の見切りに使用され、 また上部の梁との見切りにも使用されている。
真ん中あたりにアクセントとして千鳥模様レンガも使用されている。
<価値ある建築>
営業目的で作られた建築は機能が時代に合わなければ新陳代謝で消滅していくのは宿命と言えます。 しかし価値ある建築は人類の遺産として後世に残す努力をすることも必要でしょう。
その点この建物は不十分ではありますが現在明治村に移設されその面影を残しています。 ただ何度も書きましたがこの建物の魅力はあのロビーだけではありません。ほんの一部です。 青春時代に、この建物から数限りない感動と刺激をうけた一人として、今の若い人がこの建物の全貌に触れその素晴らしさを体験できなくなってしまったこと、すでに40年の時が経過しましたが改めて残念としか言い様がありません。
11回に亘ってフランク・ロイド・ライトの代表作である帝国ホテルを紹介してきました。最後に帝国ホテル中央棟、北客室棟完成時のライトが写っている記念写真を掲載して帝国ホテルの章を閉じたいと思います。